映画『ホットギミック』

ホットギミック、6月28日(金)全国ロードショー!

十代の頃、何が早すぎて、何が遅すぎたのか、
その曖昧な基準に長く苦しみ、
答えを知るよりも速く一線を超えてしまってからは、
思考を一つずつ投げやってゆくほかないような、
寄る辺ない季節を生きました。

ただ、自分自身の心身が、あるべき場所にはないことだけが、判然としていました。

この世にたった一人しかない体と心を持って生まれながらも、
もっと綺麗な直線に、このさき当てはめてゆかれないのであれば、
求められる人間にはなれないという冴えがあった。
しかし、その直感すら徒労に果てることを、リアルタイムにして既に届けられていた。

今の自分は“自分自身”ではないと思いながら、
“自分自身”にはどうあっても辿り着けないことを知り尽くした末に、
鏡を覗くと、年老いてゆくような少女期だけがそびえていました。

あの頃の自分の心と体が誰のものだったのか。
私は、何にさらわれていたのか。
あるいは、ほんとうに、さらわれてしまうべきだったのか?

傷つきやすい心身が、
この世界と擦れ合うことでその性質を加速させ、
風に、今にものみこまれながら、
それでも自分自身の脚で立ち上がるための物語を必要としていたこと、
何度思い返しても、思い至ってしまうのです。

悲しみのやり場、恋の行く末、新しい旅先、
そうして魂の目的地をいつも探して、
自分自身が何者であるのかを見つけるための旅を、
望んでいた、
ふかく、望んでいる、
すべての少女のために、この物語が存在しますように。

山戸結希